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ブログ2025.12.11
今回はキッチンの顔 面材について語ります! 世界にひとつだけの、あなただけのキッチンを ― オーダーキッチンという選択
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イントロデュース
横田工務店の代表、横田です。
前回のブログ、「世界にひとつだけの、あなただけのキッチンを ― オーダーキッチンという選択」という記事では、オーダーキッチンの天板について書きましたが、皆さんお読みいただけましたか?
大手キッチンメーカーさんのキッチンの天板の選択肢と違い、様々な天板があること、そしてオーダーの場合は自分の好みやリビングダイニングの全体デザインに合ったものを選べることを理解してもらえたのなら幸いです。
今回はその続編で、キッチンの顔と言われる面材について書いてみたいと思います。
などと書きましたが、面材は垂直方向の扉の面なので、実はキッチンに入ってキッチンを使っている人にはあまり目に入らないんですよね。それよりも前回書いた天板のほうがキッチンを使っている人の目に入ってきます。
では面材にはこだわらにくてもいいのかと言うとそんなことはありませんね。
例えばキッチン本体もそうですが、キッチンの後ろに設置するカップボード(収納棚)の面材はどうすればいいと思いますか?
キッチンとトータルコーディネートするのであれば、やはりキッチン本体の面材と合わせたほうが格好いいし、綺麗ですよね。
しかもキッチンって中に入っている時間は人にもよりますが、短い方だと1日の中で1時間くらいだったりします。長い方でも3時間くらいではないでしょうか?
ということは、キッチンは中にいる時間よりキッチンの外、例えばリビングから眺めている時間のほうが圧倒的に長いんですよ。
さらに言うと、ご家族が4人家族であれば全員の1日の時間を足すと96時間あります。96時間の中でキッチンの中からキッチンを見ているのはたったの1〜3時間。残りの93時間〜95時間はキッチンの外からキッチンを見ていることになります(もちろん寝ている時間もありますけどね)。
だからこそキッチン、特に面材にはこだわってほしいと思うのです。
では、順を追って書いていきますね。
まずは対比となる大手キッチンメーカーの面材はどんな感じ?
大手キッチンメーカーさんのキッチンにも様々なグレードがありますが、最も一般的な量販タイプ(定価で150万円〜180万円程度)の面材はどんな感じかを書いておきます。
量販タイプのキッチンの扉は、ツルッとしていますよね。あのツルッとは実は下記のような素材のシートが貼ってあるのです。
① オレフィン系樹脂シート(PVCやPPをベースにした化粧シート)
量販グレードの多くで採用されているのが、
オレフィン系樹脂(PVC=塩ビ、PP=ポリプロピレン)を使った化粧シートです。
表面が透明な保護層になっており、その下に印刷された木目柄や単色柄があります。
特徴
-
コストを抑えられる
-
木目柄・単色柄・抽象柄などデザインが豊富
-
一定の耐水性・耐汚性がある
-
家具や建具にも広く使われている一般的な仕上げ
弱点
-
高温に弱い
-
紫外線で多少退色することがある
- 高級感はメラミンや突板に劣る

② PET(ポリエステル)シート仕上げ
もうひとつ一般的なのが、
PET樹脂を表面に貼ったシート仕上げです。
主に鏡面仕上げ(ツルッと光沢タイプ)に採用されています。
特徴
-
表面がツルツルで鏡面のように仕上がる
-
コストが低い
-
メラミンより柔らかく、加工しやすい
弱点
-
傷が入りやすい
-
熱に弱め
③ オレフィン+クリアコートの複合仕上げ
一部のメーカーでは、オレフィンシートの上に
**UVコーティングやクリア樹脂層を重ねる“ハイブリッド仕様”**もあります。
特徴
-
ツヤ感が増す
-
表面の強度がやや向上
-
量販グレードでも“それなりに高級感”を出せる
要は、量販グレードの透明シートは「化粧シート(樹脂シート)の保護層」
大手メーカーの量販クラスの面材は、
✔ 表面の透明層=樹脂製(PVC/PP/PET)クリアシート
✔ その下にプリント柄
✔ 基材はMDFやパーチクルボード
という構造が基本です。
高級グレードになると、
メラミン・突板・無垢・塗装仕上げなどに変わり、
より質感や耐久性が向上するのですがね。
では、いよいよオーダーキッチンの面材にはどんな選択肢があるのかを書いていきます。
面材(扉・引き出し)の素材とデザインを愉しむ ― オーダーキッチンの個性を決める要素です
キッチンの印象を大きく左右するのが、実は「面材(めんざい)」です。
扉や引き出しの表面材は、毎日目にし、手で触れる部分。
素材選びひとつで、空間全体の雰囲気や使い心地が大きく変わります。
無垢材 ― 時を重ねて美しくなる“本物”の風合い
オーダーキッチンの定番といえば、やはり無垢の木です。
オーク(ナラ)やウォールナット、チェリー、メープルなど、樹種によって表情はさまざま。
節や木目のひとつひとつが個性であり、経年とともに色艶が深まり、住まいに温かみを与えてくれます。
塗装仕上げは、オイルフィニッシュで自然な手触りを楽しむ方法や、
ウレタン塗装でメンテナンス性を高める方法などがあります。
木の表情を活かしながら、暮らし方に合わせた仕上げを選べるのもオーダーの魅力です。

突板仕上げ ― 天然木の質感を、軽やかに取り入れる
「無垢材は好きだけれど、反りや重さが気になる…」という方に人気なのが突板(つきいた)。
天然木の薄いスライスを合板に貼り合わせることで、木の風合いを損なわず、軽量で安定した仕上がりになります。
つまり扉の芯材は合板ですが、表面の面材は無垢の材料というわけです。
その中でも一般的な突板の厚みは薄突と言われる0.2〜0.3mmなのですが、横田工務店のオススメは本厚突と言われる0.6〜0.8mmです。
厚くなる分持ちは良くなりますが、なにがいいかと言うと質感が全く違います。
お値段は多少高くなりますが、やはり20年、30年と使用するキッチンですから、本厚突を選んでいただきたいものです。
そして突板を使うメリットはもうひとつあります。
それは、木目を横方向に通すことです。
そうすることで、空間に広がりを感じさせるデザインも可能なのです。
キッチンの後ろのカップボードやリビング・ダイニングの家具との統一感を持たせたいときにも、突板仕上げはおすすめですよ!

出展:安多化粧合板 https://veneer.co.jp/supplied_project/irifune_studio/
(物件:IRIFUNE_STUDIO 樹種:fumed eucalypt pommele (フュームドユーカリポメレ) + bog oak(ボグオーク))
設計デザイン:STUDIO KAZ https://www.studiokaz.com/
メラミン・ポリ合板 ― モダンで実用的な選択肢
耐水性や耐汚性に優れたメラミン化粧板は、忙しい家庭にも人気です。
近年は質感も非常にリアルで、木目調・石目調・コンクリート調など、デザインの幅が広がっています。
中にはつや消しのマット仕上げのものもあり、指紋が付きにくく、落ち着いた高級感を演出できます。
逆に光沢のある鏡面仕上げは、空間を明るく見せる効果があります。
家具やキッチン業界ではメラミンを下に見る傾向がありますが、実はデザイン先進国のヨーロッパでは今でもキッチンの約半分がメラミンのキッチンと言われています。
決して悪い素材ではないという証ですね。
モールテックスや左官仕上げ ― 異素材の魅力
素材感を楽しみたい方には、モールテックスや左官仕上げといった無機質系のデザインもおすすめです。
無垢の木やセラミック天板との組み合わせで、唯一無二の世界観を表現できます。
デザイン業界でトレンドになっているグレージュの仕上げも、モールテックスなら可能です。
そのマットな質感と手仕事の表情が、インテリアとしての存在感を高めてくれますよ。
デザインディテール ― “線”と“影”を整える美学
オーダーならではの醍醐味は、細部の設計自由度です。
取っ手のデザインをどうするか、面材のラインをどう見せるか——
たとえば、取っ手をなくした“J型手掛け”や“フラットライン”のデザインは、すっきりとした印象をつくります
扉の隙間を均一に揃える「ライン合わせ」や、「影を計算した段差デザイン」なども、職人の技が光る部分なのですよ。
まとめ ― キッチンは「素材」で語る空間へ
面材は、単なる扉や引き出しの“表面”ではなく、キッチン全体のデザインコンセプトを象徴する重要なパーツです。
木の温もり、石やモルタルの質感、金属のシャープさ。
それぞれの素材には、住まい手の個性が表れます。
オーダーキッチンの面材選びは、まさに「暮らしのデザイン」を決める時間。
私たちはお客様の好みや生活スタイルを丁寧にヒアリングしながら、
素材・色・ディテールのひとつひとつを一緒に考え、形にしていきますので、魅力を感じていただいたら横田工務店までご相談してくださいね。
